さて、ここまで設定しながら、/etc以下のファイルをいじりたおしていると、ぼつぼつと設定ミスによる細かい不具合が出てくるものである。
とりあえず、ひとつあるのが、メールのFrom行が
From: fujirushi@fujirushi |
になってしまうというのがある。この問題は、以前、/etc/hostsに自分のFQDNを書いたことで解決していたはずだったのだが、bindの設定のときにこの設定をコメントアウトしたので再発してきたようである。
とはいえ、bindがきちんと設定されていれば、こういう問題は出てこないはずである。ということは、bindの設定がきちんとできていない?
というわけで、とりあえず現象をきちんと把握することにした。
私の浅い理解の範囲では、sendmailなどのdaemonのたぐいは、gethostnameを初めとする一連の関数が返す値を利用してFQDNを取得しているはずである。というわけで、gethostnameのCUIフロントエンドであるhostnameコマンドを利用して、なにがおかしいかを探ってみる。
すると、hostname -fでFQDNが取れていない。hostnameにオプションをつけないで実行するとfujirushiというホスト名が返ってくるわけで、どうやら名前解決に関してなんらかの設定がおかしいことがわかる。
さて、というわけで、よく考えてみると、非常に重要なことに気づいた。
今回設定しているサーバのホスト名は、インストール時に入力したfujirushiになっている。しかし、bindで設定したサーバのホスト名(Aレコード)はfjservになっている。ということは、かわいそうなbindは、fujirushiのFQDNを要求されたときに、そんなホストないよと答えざるをえない。
というわけで、原因判明。lan.zoneにfujirushiをfjservのCNAMEとして設定したらきちんとFrom行にFQDNがつくようになった。
しかし、このままでは、From行が、
From: fujirushi@fjserv.fujirushi.hoge.domain |
になっていまう。これを
From: fujirushi@fujirushi.hoge.domain |
になんとか設定したいものである。
そこで、例によってGoogle検索。するとこんなページを発見する。どうやら、sendmail.cfにFrom行の改竄をおこなう設定を追加すればよいようだ。
とはいえ、sendmail.cfを直接いじる勇気は私にはない。そこで、当該ページに書いてあるように、sendmail.mcをいじった後、m4でsendmail.cfを生成することにする。書き加えた設定は以下のとおり。
MASQUERADE_AS(`fujirushi.hoge.domain')dnl MASQUERADE_DOMAIN(`fjserve.hoge.domain')dnl FEATURE(`masquerade_entire_domain')dnl FEATURE(`masquerade_envelope')dnl EXPOSED_USER(`root daemon postmaster')dnl |
変更後、m4でsendmail.cfを生成し、sendmailを再起動、メールを送信してみると、見事、
From: Fujirushi Ryohin <fujirushi@fujirushi.hoge.domain> |
というふうにFrom行が設定できた。
さて、Lavieの無線LANがつながらないということで、無指向性の外部アンテナを注文したという話は前に書いたような気がする。
その注文したアンテナが届いたかというと、ぢつはまだ届いていないのだが、その前にふとした思いつきで試したことがいきなり功を奏してしまったので、書いておこうかと思う。
我が家で無線LANのアクセスポイントとして利用しているWLAR-L11-Mの中には通常の無線LANカードであるWLI-PCM-L11が入っていることは良く知られている事実である。このWLI-PCM-L11はそのなかに薄い円盤状の内蔵アンテナが入っているらしいことをどこかのウェブページで見たことがある。
さて、薄い金属プレートが内蔵アンテナとして機能しているとすると、そのアンテナから出る電波は指向性を持って、
という感じで発信されると考えられる。
ところで、我が家の無線APの配置とLavieの通常における使用位置は、こんな感じ
になっており、確かにこれでは通常の使用位置では電波は届きにくくなることが予想される。
しかし、この無線APをこういう向きに配置すると、
こういう感じで電波が発信され、Lavieのある位置に良く電波がくるようになるはずである。というわけで、実際にやってみた。
すると、感度が悪いと予想されるLavieの内蔵無線LANユニットでも電波が途切れることなく受信されるようになった。ちなみに、同じように電波状態が悪くていまいち使用に耐えなかったCFタイプの無線LANカード(WLI-CF-S11G)での受信状態のチェックもやってみたが、これも非常に安定して通信ができるようになっていた。
ということは、購入した外部アンテナは無駄になるのか?と一瞬考えたが、よく考えてみるとこの向きにしたところでLavieをほかのところに持っていけば電波状態は悪くなるわけで、そうすると結局受信ができなくなるだろう。というわけで、無指向性のアンテナの購入は無駄にはならないのではないかということで自分を納得させることにしました(笑)。
無指向性アンテナのちから。
注文してあった無線LAN用の無指向性アンテナ(WLE-NDR)が届いたのは先週の金曜日である。しかし、金曜の夜から週末出かけてしまったので、ようやくセットアップした。
セットアップ自体はさほど難しくなく、とはいえ、無線LANアクセスポイントの内部にアンテナを接続しなくてはいけないので、そういう意味では面倒といえば面倒である。とはいえ、WLE-NDR付属のマニュアル通りにやっていけばすんなりいくと思われる、っていうか本当にすんなりといってしまった。
ただ、アクセスポイントの中に入っているWLI-PCM-L11のアンテナ接続用コネクタのふたをはずすのにはけっこう難儀した、っていうかマニュアルにあるように精密ドライバでぐりぐりとやってこじ開けたら、はずれたふたはどっかに飛んでいってしまって行方不明さんになってしまった(笑)。
さて、アクセスポイントを組み立てなおして実際に電波が届くようになったかを確認。電波状態の確認には、電波受信能力の低さに定評のある(笑)WLI-CF-S11Gを利用する。
まずは、メルコ純正電波受信ツールであるクライアントマネージャで確認。家の中を動き回っても電波状態は100%以外の値を示さない。さすがにきちんと電波受信できているのかクライアントマネージャがおかしいのか不安になったので、家の外に出てみる。するとクライアントマネージャは100%以下の値を示すようになった。どうやらきちんと測定できていそうである。ちなみに電波はアクセスポイントのある位置から家の外まで半径で20メートルくらい届いていた。
さて、こうなってくるともっと電波の状態を詳しく知りたいのが人情である。というわけで、netstumblerなんてものを起動してみる。そのデータを見てみたのがこんな感じ。
こんな感じで、室内ではもちろん電波の多少の強弱はあるが、安定した通信に充分な電波強度が確保されていることが確認できた。これで家庭内ユビキタスコンピューティング(違)も一層の安定みることであろう。ちなみに横軸は時刻(GMT)である。+09:00して読んでほしい。決して平日の昼間にのうのうとセットアップしていたわけではないのでご理解のほどを(笑)。